前期研修医 研修終了者の声
前期研修医 研修終了者の声(2024年度)
南 宏太(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
私は佐賀大学医学部附属病院1年次研修医として、織田病院での地域医療研修を選択させていただきました。
織田病院での地域医療研修は、私にとって医師として初めて主治医・ファーストタッチを担当する機会でした。誤嚥性肺炎や尿路感染の管理など、研修前は本を読んで知識を身につけているつもりでしたが、実際の現場では想像以上に対応できないことが多く戸惑いばかりでした。
特に印象が深かったのは救急外来での経験です。夜間の救急外来で、20代の患者さんの発熱を不明熱として精査を進めてしまい、扁桃炎を見逃してしまった経験が心に強く残っています。「問診と身体診察が大切」というのは誰しもが耳にタコができるほど聞いたことがあることかと思いますが、自分が悩み苦しんだ経験から身をもって学ばせていただきました。
また、救急外来では患者さんの状態を一時点でしか観察できず経過を追うことが難しいため、診断をつけるのが難しいということも学習しました。患者さんの重症度を迅速かつ的確に判断し、治療の優先順位を決めることの重要性も学びました。
さらに、ある上級医の先生が入院患者さんの内服薬をすべて一旦中止したことも非常に印象的でした。一つひとつの薬剤が何のために処方されているかを丁寧に確認し、患者さんに本当に必要な薬を見極める姿勢を学びました。
研修期間中は、内科の先生方に本当にたくさんのサポートをいただきました。分からないことや迷う場面が多くありましたが、そのたびに的確なアドバイスと温かいサポートを受けることができ、非常に心強く感じました。救急外来、病棟ともに薬剤師や看護師の方々に何度も助けていただき、おかげさまで何とか1ヶ月間走り切ることができました。
織田病院での地域研修は内科志望、外科志望を問わず、自分の力を大きく伸ばせる場所だと感じます。ファーストタッチや主治医としての経験は間違いなく自分の財産となりました。自身がいかに未熟であるかを痛感し、今後さらに勉強を重ねようと決意を新たにしました。織田病院での研修を心からおすすめします。ありがとうございました!
宇野 純加(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
私は2年次研修医での地域実習で1ヶ月間、織田病院で研修させていただきました。織田病院で研修された先輩方から、織田病院では主治医となり治療方針を研修医主体で決められたり、手技を多く経験できたと聞き、そのような実践的な診療がしたいと思い、選択させていただきました。実際1ヶ月間を過ごしてみて、前述のような研修ができたのはもちろんでしたが、それよりも鹿島市の超高齢者が多く住まれている地域での医療は初めての経験で圧倒され、たくさん刺激を受けました。薬の調整ひとつをとっても、その患者さんの生活背景を考えた選択が必要で、そのためにはコメディカルの方と密な連携も必要で、大学病院では経験できないような包括医療を経験することができました。この1ヶ月の研修は今までで一番というくらい、頭と体力を同時に使ったように思います。一生記憶に残る研修でした。大変お世話になりました。本当にありがとうございました。
松田 和子(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
私は佐賀大学医学部附属病院の地域実習として1ヶ月間、織田病院で研修させていただきました。将来、在宅医療に携わりたいと思っており、織田病院であれば一般的な病棟管理や救急対応だけでなく、各家庭への往診や関連施設での診療を見学でき学ぶことができると思い選択しました。
大学病院では研修医は担当医として担当患者さんにつくことがほとんどですが、織田病院では研修医は主治医として入院から退院まで主体的に関わることができます。初めはとても不安で、治療が予想通りにいかなかった時はとても悩みましたが、指導医の先生方の手厚いサポートもあり、ようやく治療できた時は少し成長したようにも感じてとても嬉しかったことを覚えています。また、初めてがんの告知をしたとき、暗い知らせを相手の反応をみて感情を推測しながら言葉で伝える難しさを感じました。
往診では各家庭から施設まで幅広く見学させていただき、実際の在宅医療を学ぶことができました。患者さんだけでなく、その家族も含めたケアをできる医師になりたいと再認識することができ、織田病院で研修して良かったと思いました。
前期研修医 研修終了者の声(2023年度)
大学病院では研修医は担当医として担当患者さんにつくことがほとんどですが、織田病院では研修医は主治医として入院から退院まで主体的に関わることができます。初めはとても不安で、治療が予想通りにいかなかった時はとても悩みましたが、指導医の先生方の手厚いサポートもあり、ようやく治療できた時は少し成長したようにも感じてとても嬉しかったことを覚えています。また、初めてがんの告知をしたとき、暗い知らせを相手の反応をみて感情を推測しながら言葉で伝える難しさを感じました。
往診では各家庭から施設まで幅広く見学させていただき、実際の在宅医療を学ぶことができました。患者さんだけでなく、その家族も含めたケアをできる医師になりたいと再認識することができ、織田病院で研修して良かったと思いました。
今村 友也(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
周りのコメディカルの方にも助けて頂き、改めて自分がとにかく未熟で周りに助けて頂いたんだな、と痛感しています。来年は3年目になりますが医療知識はいくらあっても足りないことを理解しつつ貪欲に吸収していく努力を欠かさないよう、そして周りへの感謝を忘れないよう、精進していこうと思います。また学ばせて頂ける機会があれば幸いです。織田先生を始め、全ての先生にお世話になりました。本当にありがとうございました。
花田 嵩史(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
三根 大樹(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
原 静流(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
前期研修医 研修終了者の声(2022年度)
南里 水晶(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
平野 雄介(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
木須 絵理(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
重冨 桂二郎(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
相良 駿介(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
前期研修医 研修終了者の声(2021年度)
芹野 南美(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
私は佐賀大学医学部附属病院の初期研修プログラムで2年目に地域医療の1ヶ月として織田病院を選択させて頂きました。初期研修プログラムでは大学病院と市中病院のたすきがけでしたが、織田病院で初めて主治医を任せてもらいました。上級医の先生に質問しやすく、上級医の先生から声をかけてくださることもあり、研修医が主治医をしていてもしっかりとしたバックアップ体制がありました。初期研修のうちに、バックアップ体制があるところで主治医を任せてもらえたのは非常に良い経験になりました。
入院診療だけでなく救急車対応やCOVID-19流行期の発熱外来などたくさんの経験をさせていただきましたが、研修をしていて良かった点、助かった点の一つは、J-OSLERで必要な症例を経験させてもらえたことです。織田病院での研修は初期研修2年目の終盤で、その際には3年目からは内科を専攻すると決めていました。上級医の先生が大変優しく、J-OSLERで経験すべき症例を意識して入院診療を担当させていただくことができました。実際研修をするまで知りませんでしたが、織田病院は地域に根ざした病院のため、受診されている患者様の疾患がとても多様でした。内科だけでも総合診療科、呼吸器内科、肝臓内科、消化器内科、血液内科の先生が常勤され、外来では神経内科や膠原病内科があり、内科疾患の研修はとても充実していました。肺炎や心不全などのCommon diseaseが勉強できるのはもちろんのこと、初診で来た方が実は希少疾患だったということも度々ありました。初診の筋萎縮性側索硬化症、化学療法目的の急性骨髄性白血病など、比較的珍しい症例を経験し、内科指導医の先生にご指導いただくことができました。他にも内分泌疾患や感染症など、これまで初期研修で回れなかった科や回ったけれど経験できなかった疾患を勉強することができました。地域医療について学びつつ、手厚い指導のもと専門的な勉強もできるとても恵まれた環境でした。改めて各診療科の先生方、スタッフの皆様方に心から感謝申し上げます。
私は学生時代の地域医療実習を織田病院で行い、1週間という短い期間ではありますが手厚い指導体制、スタッフ間のスムーズな連携体制を見て他の病院にはない魅力を感じました。研修医となり地域医療研修を選択する際に、学生時代にはなかった臨床的な視点からもう一度地域医療の経験を積みたいと考え、織田病院での1ヵ月の研修を選択しました。
研修については主に救急外来、一般外来での対応を中心に入院患者に関しては先生方の指導の下で主治医として診療に関わり、今まで不足していた治療方針決定を下す立場を実践的に経験し、手技についても指導を受けながら自分の手で様々な経験を積むことができました。私は3年目以降の進路として内科医になる選択をしましたが、織田病院での研修では総合的な内科医としての能力の未熟さを実感する毎日となりました。高度救急医療からかかりつけ医への橋渡し的存在として織田病院は位置しており、患者さんにとっては入院という機会は今までの診療を整備する絶好のタイミングとも言えると感じました。内服薬の一つをとっても「この薬剤は本当に有益なのか?この患者さんにとってはより適した薬剤があるのでは?」と自問する毎日となり、一人ひとりの患者さんの5年後、10年後を考えて現在の選択を行うという思考過程は大学病院の研修ではあまり見についてこなかった部分でした。この思考過程が身についたことで、今後の内科医としての人生の中でこの1ヵ月の研修が大きな転換点になるのではないかと感じました。
織田病院での研修では手厚い指導の下ではありますが、自分主導で決定を下すという初期研修医から専攻医へのステップアップを踏むことができ自分自身としても大きく成長できた1ヵ月でした。この経験を生かしてさらに実力を身につけ、皆様の力になれる医師を目指したいと思います。改めて各診療科の先生方、各医療スタッフの皆様がたに多大な感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。
私は佐賀大学医学部附属病院で2年間初期研修を行なっており、地域医療の1ヶ月として織田病院を選択させていただきました。織田病院さんには学生の頃地域実習でお世話になった際にとても楽しかった記憶があり、研修医では主治医や当直を経験させていただけると伺い選択しました。
当直では、common diseaseに加え見落としてはいけない疾患も考えながら効率よく動く力が必要で、本を読んでわかっているつもりでも実際に体が動くとは限らず、自分の未熟さを改めて痛感しました。また、主治医として働くということは、大学で研修医として働くことと全く違うと感じました。輸液の1本や便秘の頓用薬といった一見些細なことでも、使う薬の種類で迷います。そして、使う薬が決まったら、次は量で迷います。改めて、主治医としての仕事の大きさを知り、研修医の間に経験できてよかったと思いました。織田病院では、ご高齢の患者さんが多く、ご家族と相談の上で積極的な治療はせずに診ていく方も多かったです。そのような患者さんの中での印象的だった女性がいます。90歳を超えていた方で、積極的な治療はしない方針となりました。その方は、ご家族と相談し補液のみで診ていましたが、入院時よりも意識レベルはむしろよくなっていきました。初めは反応も乏しいことが多かったのですが、転院の際にお部屋に行った時に強く私の手を握られ真っ直ぐ目を見て何か言おうとされていました。残念ながら、言葉は聞けませんでしたし、私の勝手な思い込みかもしれませんがお礼を言われたように感じました。医師は人を救う仕事ですが、織田病院でご高齢の患者さん方をみて、本当の意味での「救う」とはどういう事なのかを考えさせられました。可能な限り延命治療を行うことが必ずしも救うことではなく、できる限り苦痛を取り除くこと、安らかに過ごせるようにすることが「救う」ことになる場合もあるのだと感じました。医療が発達している今だからこそ、患者さんやご家族の声に耳を傾け、病気ではなく人間と真摯に向き合うことがより必要なのかもしれないと思いました。
私は来年から神経内科医として働きます。神経内科には治療困難な疾患も多く、知識も技術も未熟な私は悩みが尽きないだろうと思いますが、1歩1歩人を救う力を付けていけたらと思っています。織田病院で得た経験や気持ちを忘れずに精進していきたいと思います。
1ヶ月間、迷ったり悩んでばかりだった私にたくさんアドバイスをくださった先生方、優しく声をかけてくださったスタッフの皆様、本当にお世話になりました。仕事に関しては悩んでばかりでしたが、毎日とても楽しかったです。ありがとうございました。
後藤 憲人(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
私は9月の1ヶ月間、総合内科でお世話になりました。地域医療での研修先は、他にも様々な病院がありましたが、私は2年前の学生実習の時にも織田病院にお世話になり、その時から研修先は織田病院以外ないと考えていました。
学生の頃にも感じていたことですが、地域医療において、織田病院は常に積極・先進的であり、今後見習うべき点、参考にすべき点が多々あると感じていました。特にMBC(メディカルベースキャンプ)という退院後の患者さんに対して在宅ケアを絶え間なく継続していくシステムは、医療者にとっても安心して患者さんを自宅退院させることができ、患者さんにとっても慣れ親しんだ在宅での療養を継続できるものだと、印象に残りました。研修の中では、そうした地域医療としての織田病院の役割を学ぶと共に、主治医として症例を担当したり、外来診療をしたりと、様々な経験をさせて頂きました。外来患者さんを診る際も、治療や助言をして帰すだけではなく、フォローが必要な方を如何に見つけ出して、次回の診療に繋げていくか、という点で考えていくことが必要であり、外来診療の難しさを感じました。
この1ヶ月間を通して、地域医療の重要性を再認識すると同時に、来年以降の後期研修に向けて一般外来診療スキルも向上できたと思います。お忙しい中にも関わらず、私の質問に丁寧に答えて頂いたり、病院のシステムがよくわかっていない私を助けて頂いた先生方やスタッフの皆様方、大変お世話になりました。病院職員の方々全員から温かく接して頂き、楽しく研修期間を過ごせたと思います。本当にありがとうございました。
松永 明紗(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
私は2年目の夏に織田病院の耳鼻咽喉科で研修をさせていただきました。
私は佐賀大学医学部附属病院の葉隠プログラムで初期研修しており、このプログラムでは、初期研修の2年間の中で選択科目を佐賀県内の研修協力施設で自由に選択し研修することができます。
短い期間での研修でしたが、織田病院の先生方やスタッフの方々には本当に温かく迎え入れて頂き、何不自由ない研修をさせていただくことができました。多くのご指導・ご支援を賜り、本当に感謝しています。ありがとうございました。
私は将来精神科志望で、内科系の知識を身につけたいという希望があり、幅広い分野の内科疾患を見させていただきました。2型糖尿病やterminal stageの肝細胞癌などの管理から、敗血症や髄膜炎などのいわゆる重症症例の管理まで2ヶ月でおよそ19症例経験することができました。
また、救急当番や発熱外来などの外来診療も行うことができました。当番の中では、それまでの研修で行う機会のなかった腹水穿刺や胸水穿刺、関節穿刺などの手技も経験出来ました。
2ヶ月と言わずもっと勉強させてもらいたいと思える、非常に充実した研修となりました。
今回私が織田病院を研修病院に選んだ理由は複数あります。学生の頃から患者様や現場のニーズに合わせて仕事をする総合診療の分野に興味があったこと、医学科6年生の時に短期間ではありましたが、地域に密着した患者様の暮らしを支えている織田病院で大変楽しく濃厚な実習をさせていただき、研修医になってもこちらでお世話になりたい、戻ってきたい、という思いが強くあったこと、そして何より、織田病院には、学生時代や研修1年目の春にお世話になった、多忙な環境でもご指導を大変熱心にしてくださる総合診療科の先生が多く在籍されており、他科の先生方および他職種のスタッフさんにも相談のしやすい、『患者様が暮らしている様子』や『関わっていただいたスタッフさんからみた患者様の視え方』がしっかり見える環境で、時間はかかれど、一つ一つのことを、沢山の視点で学ぶことができると考えたからです。
向こう2年の大学病院での研修では見えにくいような、目下地域自体が抱えている問題、患者様やその家族の背景、病院が担うべきラインの難しさ、高齢社会の中で患者様やその周囲の方々のしあわせとは何か、など、医学科6年生の1週間の実習では感覚でしかなかったものが、研修医2年目の1ヶ月の研修で、疾患の側面、人間の人生としての側面からありありと体感しました。
現状に即して行う診療や疾患のコントロールの実際と、我々が患者様に求められている事との相違を常々頭に入れながら、適切に関わり、患者様にとっての日常へ戻ることの大切さを身をもって感じ、その場所に居続けることの重要性を切実に感じました。
訪問診療、内科の定期外来やオンライン診療の様子の見学、そして救急外来でのファーストタッチ、夜間や日中の急患への対応のスピード感と線引き、病状説明や入院での感染症や自己免疫疾患の治療、手技やその見学など、沢山の事を研修医の分際で経験させていただき、駆け出しの未知な部分の多い時分として、患者様にとってよりよい選択肢を取るための実臨床の中での問診や診察の精度および学問の追求がいかに大切か、そしてもし自分の家族だったらという視点を忘れないことの大切さを肌で感じることができました。
沢山のスタッフの皆様のご尽力で、地域を支える事ができているという事を改めてこころから理解し、そんな中ご指導、ご助言いただいたことに感謝の念でいっぱいです。これからも、スタッフの皆様をはじめ、患者様やそのご家族からいただいた言葉、感じた事を精一杯握りしめながら、医師として生涯をかけてまなび続けます。1ヶ月という短い間でしたが、一日一日が大変興味深く、濃い研修となりました。本当にありがとうございました!
前期研修医 研修終了者の声(2020年度)
松尾 祐里(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
数ある地域医療研修病院の中から私が織田病院を選択した理由は幾つかありました。
まずは学生時より総合診療の分野に興味があったこと、お世話になった総合診療科の先生が多く在籍され、力を入れてあると聞いていた貴院で研修したいと思っていました。
第二に、研修1年目を三次病院である大学病院で過ごした私にとって地域医療とは何かを具体的に言葉で説明できず、鹿島市とその周囲の医療・介護を担っており、MBCという聞いたことのなかった画期的な制度があることなどにすごく興味を持ったからです。
実際に研修を終えて、何もかも初めての経験でありすごく新鮮で毎日出勤が楽しかったのが正直な感想です。
聞いてはいたもののそれまで大学病院で接してきた患者層と比べて10歳ほど高齢であることに驚きました。
疾患だけでなく生活背景に準じて入院可否のハードルは個々で変わってくるし、高齢であればあるほど長期入院によって自宅退院が困難になるなど退院支援が複雑になってきます。
もちろん入院中は病態や治療方針を最も検討していましたが、各患者の退院後について考える機会がかなり多かったように思います。それぞれの職種の方が、独居や老々介護が多い背景・生活状況を入念に考慮して退院後のフォロー方法を検討されていました。
「患者」ではなく「市民・町民」の営んでいる生活に即した医療があると感じました。
「紹介される側」と「紹介する側」のどちらの側面も持っている織田病院で研修させてもらえることがとても貴重に感じました。
また、MBCやDCU、私が研修させていただいた時期にちょうど始められていたオンライン診療など、今の住民に即した診療を次々とされていて興味深く感じました。
織田病院での1か月の研修で、断らずに何でも診ようとする、地域住民の求める診療に近づこうとする職員みなさんによる診療を体感したことで、将来進む診療科を考えるきっかけともなりました。
改めて、織田良正先生をはじめとする総合診療科の先生方、全ての職員の方々に感謝申し上げます。1か月間ありがとうございました。

喜代原 環(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
私は佐賀大学附属病院の葉隠プログラムでの初期研修を行っています。
葉隠プログラムでは、2年目の選択科目については、佐賀県内の研修協力施設での研修が自由に選択でき、自分の進路や希望に合わせて研修先を選ぶことができました。私は1年目の研修で大学の耳鼻咽喉科で研修を行いました。
大学とはまた違った角度から、さらに勉強がしてみたいと考え、佐賀県内でも特に織田病院の耳鼻咽喉科は盛んに手術や外来を行っているとのお話を聞いていたため、研修先として選ばせて頂きました。
実際に研修をする際には、耳鼻咽喉科に加え、皮膚科にも興味を持っている状況であり、進路選択に迷っている最中でした。織田先生にご相談させて頂いたところ、直前の相談であったにも関わらず、臨機応変に対応して下さり、1ヶ月の短い研修期間の間でしたが、両方の科での研修をさせて頂けることとなりました。
耳鼻咽喉科では大学ではあまり診ることのできなかったcommon diseaseを沢山経験でき、手術では実際に手技をさせて頂く機会もあり、大変勉強になりました。
皮膚科においても、その疾患の頻度は高くても、今までの研修では診たことがないような疾患を沢山経験させて頂きました。
研修科以外の先生方にも昼食の際や休憩時間などに、お話をする機会があり、最初は新しい環境での研修に緊張していましたが、とても有意義な時間を過ごすことができました。
ありがとうございました。
馬場 康平(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
私は地域研修先として織田病院を選択した。内科と外科双方の治療に注力していること、佐賀南部救急の大部分を受けるこの病院で救外や救急車対応を多く経験して臨床能力向上に繋げたいと思ったからだ。
また、将来の診療科についても不安があり、マルチな方面で活躍されている織田良正先生に様々な観点から話を聞きたいと思ったことが本音だったりもする。
それはさておき、1か月という短い間だったが、本当に数多くの経験ができた。まず、救外で感冒や腸炎などのいわゆるcommon diseaseを始め、軽度の外傷や敗血症性ショックなど初期対応にやや難渋する場面にも遭遇した。
特に印象的だったのは、胸部違和感でウォークイン受診した80代後半女性のA型急性大動脈解離の1例である。詳細を書きたいが、端的に言うと、CT後に心タンポ+意識消失の状態になりながらもなんと一命を取り留めた。
かくいう小生はもちろん急変事態で対応が後手に回っていたのだが、織田先生は冷静で、家族説明には聞き入った。その後患者の状態は驚くほど改善し来院から48時間以上生存したが最終的には亡くなった。残念だったが実に貴重な経験だった。
また、主治医の“つもり”で治療方針を考え、退院・転院の話を家族に説明する機会も頂けた。MSWや看護師、その他職種スタッフとの密接な連携も地域医療の貢献に欠かせないものだと感じた。
最後に、織田病院の肝でもあるオンライン診療にも僅かながら触れられた。今のコロナ禍では勿論、対面診療が困難な患者にも常に目を配り寄り添う医療が出来るシステムを実際に経験できたことは非常に有難く、佐賀県で最初にオンライン診療を経験した研修医かもという織田先生の言葉は嬉しかった(笑)。
大学病院では経験できないことを多く経験させて頂いた織田病院での研修を忘れず、この経験を活かしたい。

嘉村 真知子(佐賀大学医学部附属病院 初期研修医)
私は佐賀大学医学部附属病院で二年間初期臨床研修を行うプログラムの地域研修で織田病院を選択しました。
前年度の研修医から救急外来の対応を研修できるという話を聞き、また学生時代にお世話になった先生がおられた事もあり研修を行いたいと思いました。
研修内容としましては、総合診療科で救急外来と病棟に加え、私が3年目以降専攻する診療科での研修もできるようにして頂きました。
救急外来ではWalk-inの重症な症例や、症状が非特異的な症例やうまく訴えることができない症例などを経験することができました。そのような症例では問診や診察がより重要となり改めて基本に立ち返る事ができました。
その他、オンライン診療の見学をさせていただきました。直接の診察ができないため問診や、視診の情報しかなく難しいですが、定期の通院をされている方にとってメリットは大きく自分もスキルを習得したいと思いました。
患者さんの入退院や往診などを経験していく中で、各職種の院内での連携はもちろんですが、地域の他施設とも協力し地域の医療を支えていることが強く感じられました。
最後となりましたが、織田病院のスタッフの皆様に温かくご指導・ご支援頂き大変貴重な1ヶ月間となりました。大変お世話になりました。
